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DVDの基礎知識
DVDはVHSより安いDVDがワイド画面に強い理由DVDのオーサリングとは?プレスDVDとDVD-Rの違いDVDには、国境(テレビ方式の違い)がないマルチアングルとは?複数の原語でメニューが進行し自動的に字幕と音声を選択複雑なプログラム再生もメニューボタンに集約パソコンでDVDが再生しにくいとき
CDの基礎知識
CDのマスタリングとは?プリマスターCDって何?演奏ミスの差し替え方ノイズ取りの原理
DVDの基礎知識

DVDはVHSより安い
収録時間が長くなるほどテープを消費しダビング時間のかかるビデオテープは、製造費と作品の長さが比例してしまいます。つまり、30分の作品と120分の作品では単純に製造費が4倍に近くなります。それに対して、DVDはCDと同じくマスターからのプレス工程により製造しますから、1枚のディスクを作る経費は内容の長さに左右されません。ということは、映画をはじめとしてオペラのように120分を越える作品がザラにあるようなジャンルでは、量産したときの単価が確実に下がります。安く販売できる事が、量をさばく事ににつながり普及に拍車をかけてきました。マスターテープを作るまでの工程は、画面サイズの多様化などに伴って変化していますが、結局、撮影費や編集費は同じです。DVDオーサリング費用が今までにはない付加された経費ですが、安価になった製造費と総販売量の増加で十分に補えます。また、ビデオ時代は、生テープを韓国などで製造し日本でカセットの組み上げとダビングパッケージを行ってきましたが、現在のDVDは、ディスクの製造を台湾などで行い組み上げのみを日本で行います。このことにより飛躍的に製造原価が下がっています。
同じ1000本の製造原価を計算してみると、60分の作品でDVDはVHSの48%の原価、160分の作品でDVDはVHSの29%の原価になります。長い作品であるほど、テープ媒体は、操作性(テープ送りのスピードに限界がありアクセスが遅い)も原価も、DVDに差をつけられてしまいます。

DVDがワイド画面に強い理由
DVD以前の映像再生システムは、従来のテレビ放送を前提に開発されていたため、画面比率はノーマル4対3オンリーであり、その他の比率を持つソース(映画など)は、上下に黒いレターボックスというマスクをつけていました。しかし、それでは使える信号の数十パーセントを無駄にしている訳であり、画面比がワイドになるほど画像情報が減っていくという、困った結果を生んでいました。※
DVDの普及以前からハイビジョンの実用化の流れに即して家庭用のテレビ受像器もワイド対応のものが増加してきた事と、現代の映画ソフトにノーマル4対3のものがほとんどない事をふまえて、DVDビデオの規格には当初から16対9のワイド画面比に対応することが盛り込まれています。DVDに収録されている画像にはそれぞれ画面比の情報が記録されていて、現在、ほとんどのプレーヤーがそれを識別し自動的に受像器の画面上に正確な画面比で表示させます。現在のテレビ放送の多くは、古い受像器を持っている人のためにあらかじめレターボックスを切った情報量の少ない状態に編集しますが、DVDでは、ワイドのまま編集して大丈夫です。
つまり、旧式のノーマル4対3テレビを見ている人も、ワイドテレビを見ている人も、ディスクの内容がどんな画面比であれ、何の操作もせずに正確な画面比で映像が楽しめます。4対3の地上波放送をワイドテレビで見た時のような横長の太った画面になったり、レターボックスの映像をワイドテレビで拡大してあれてしまったり、せっかくのワイドテレビなのにふたまわりも小さなレターボックスサイズのワイド画像を見る羽目になったり※...ということが起こらないのです。
視聴者は、自分のプレーヤーとテレビが正しく接続されていれば※※、DVDに記録されている画面比を意識することなく再生し楽しむことができます。逆に、制作者は、画面比が混在している....例えば、本編はワイドで、特典映像がコーナーごとにノーマルだったりワイドだったりする....ような作品制作が高画質な次元で可能になったのです。
このDVDのワイドで高画質な特質は、映画だけではなく、コンサート会場や舞台で演じられるような、ワイド画面が有利に働く様々な作品に威力を発揮します。

※最初から上下にレターボックスを切った編集をしてしまうと、ノーマル4対3テレビでは普通に再生されますが、ワイドテレビで表示すると、左右が切れた小さなノーマル4対3エリアの中のさらに上下が切れた小さな画面になってしまいます。また、それを画面一杯に拡大すると画素が荒れた感じになってしまいます。

※※ワイドテレビを使っているとき、DVDプレーヤーをS端子やD端子を使って接続すると、画面比の情報が正しく伝わってテレビ側で自動的に正しい画面比で表示されます。黄色いコンポジット端子で接続している場合は、この機能を使うことができません。ノーマル画面比のテレビを使っている場合は、プレーヤー側が画面比を自動的に切り換えて出力しますので、どの端子を使って接続しても問題ありません。ただし、いずれの場合も、プレーヤーの初期設定で接続しているテレビを正しく選択していなければなりません。

DVDのオーサリングとは?
耳慣れない言葉かもしれませんが、要約すると、編集の終わった幾つかの映像と音声の流れ(ストリーム)をそれぞれ個別にDVDの信号にエンコードして、メニューやボタンで、うまく連動するようにプログラムしていくことです。
家庭用のDVDレコーダーでも同様の事ができるわけですが、弊社で行うオーサリングとの差異は、エンコードする際の品質を細かくコントロールしてディスクに効率よく収納していける事と、動き方のプログラムに自由度が非常に高いという事でしょう。映画のディスクをいろいろ比較してみると、とてもうまく作られているものと、単純なもの、無理にエンコードしたため特典映像や本編の一部の画質があれているものなど、けっこう千差万別です。
CDやレーザーディスク、VHSなどに比べると、DVDは、その作り方に選択肢が無限大にあります。ですから、この作業は、成功パターンをまるきり踏襲していくというよりは、毎回、ご覧になる方が使いやすいように発展・改良していく作業という感じです。機能が多いというと使い方が複雑という悪いイメージもありますが、オーサリングの目的はその逆で、わかりやすく便利なメニューやボタンを作るために、裏側では複雑なプログラムを組むという感覚なのだと思います。
弊社では、こんな感じで使えるように....という皆様のご要望にお応えして、様々なオーサリングを提案します。

プレスDVDとDVD-Rの違い
実は、DVDの規格には10種類以上のあまり互換性のないものが存在し、それを全部理解する事は、とてもやっかいです。しかし、広範囲に再生できるDVDビデオソフトとしては、プレスDVDとDVD-Rの2つだけが存在する...と考えて下さい。このどちらかであれば、現在販売されている DVDプレーヤーやほとんどのパソコンで再生できます。DVD+RやDVD-RWの規格は、便利だけど特殊なものとして、自己録再用として使用されています。では、「プレス」と「DVD-R」の違いとは.....

★プレスDVD 長時間記録、300枚以上の生産に有利
商品として流通しているもののほとんどは、プレス工程を経て製造されています。片面1層式=DVD-5 と 片面2層式=DVD-9 が代表的です。(両面式のディスクもあるが、あまり製造されていない。) DVD-5は、DVD-9の約60%の容量を持っています。内容が90分を大きく越える場合、多くのディスクがDVD-9で作られています。プレスDVDは、内容を書き換える事もできませんし、専用工場以外で製造することもできません。ただし、再生互換、機能(コピー防止など)の面でDVDビデオのスペックをフルに活用できます。プレス価格が次々値下げされた結果、製造費の中でケースや著作権費用の占める割合が高まり、1000枚以下のソフト製造では、ディスクだけ1000枚作り、その都度必要数だけパッケージソフトに組み上げるという方法が主流になりそうです。盤面印刷は、CDと同じシルクスクリーン方式と4色オフセット方式がありますが、海外工場がオフセット方式をプレス価格に含めて見積もっているので、4色オフセット方式で写真データを含めてプリントするのが主流です。

★DVD-R 200枚以下の限定生産に有利。
利点は、専用工場がなくても比較的軽い設備投資で製造ラインが組めることです。一枚一枚、パソコンからプリントする事もできます。200枚程度までの製造では、プレスより、総製造価格が下がるので近年急激に普及してきました。盤面印刷もインクジェット方式が発達して、プレスディスクに劣らない美しさを持ちます。初期型のプレーヤーを除いて、ほとんどのデッキに再生互換があります。
欠点は、片面2層式のDVD-Rが実用化されておらず、片面1層式=DVD-5よりやや小さい(約97%)容量しかないということです。従って、内容が90分を大きく越える場合は、2枚のディスクに分けて記録します。また、コピープロテクト機能を使用することができません。2004年から片面2層式のDVD-Rも発売されましたが、多くプレーヤーで再生互換を得て、メディア自体の価格も下がって、コピー工場が2層式のDVD-R製造ラインを組む...というまでには、まだ時間がかかりそうです。また、DVD-Rはプレスディスクに比べ、製造方式、メーカーなどによりディスク面の光の反射率の差が存在し、あるメーカーのディスクは、あるドライブ(プレーヤー)では再生しにくい....といった事例もあります。ただし、CD-Rと同様で、そういった問題は徐々に解消されて行く傾向にあります。弊社では、より高い互換性を求めて、使用するディスクメーカーを厳選しています。

DVDには、国境(テレビ方式の違い)がない
DVDビデオは、テレビ方式を越えて世界中に互換性があります。
ハイビジョンを除く、家庭用のテレビの信号方式は、アメリカや日本の文化圏を中心としたNTSC方式、ヨーロッパを中心とするPAL方式、フランスや旧共産圏を中心とするSECAM方式の3つが標準です。プロ用家庭用を問わず今までのビデオテープは、その3方式に互換性が全くありませんでしたが、DVDビデオのソフトは、NTSC方式のハリウッド映画を中心に発展したため、他方式の国で発売しているプレーヤーの多くにNTSC信号を読みとる機能が付加されています。そのため、逆にソフトの販売エリアや価格を維持するために、リージョンコードという再生地域を限定する識別信号が存在し、その国のプレーヤーと反するコードが記録されているディスクは、再生されません。どの国でも再生できるというコードもあり、ディスクにALLと書かれています。パソコンに搭載されているプレーヤーもリージョンコードには反応しますが、どの信号方式でも再生可能なようです。
つまり、VHSなどの時代では、ヨーロッパに日本のテープを送っても、貰った側が再生できなかった....または、高価なテレビ方式変換のダビングを外注する必要があった....訳ですが、DVDが広く流通した現代では、自分が作り手の場合、その心配が無くなったということです。自分が購入者の場合は、リージョンコード (日本は2またはALL)を確かめる必要があります。また、パソコンで異なるコードのディスクを交互に再生したりすると、ソフトウエアが壊れるようにできている場合が多いようです。その場合は、その都度ソフトウエアをインストールし直す必要があるかも知れません。

マルチアングルとは?
ー弊社の編集システムならカンタンに実現できますー
ディスクを再生中に音声が途切れることなく、ユーザーが、複数の映像トラック間で自由に画面を切り換える事ができる機能の総称をマルチアングルといいます。ひとつのものを違うアングルで撮影し、ユーザーが好きなアングルを選んで鑑賞できるようにする...という目的で作られたDVD固有の仕組みです。基本的に、どのプレーヤーにもアングルを切り換えるボタンがあります。しかし、メーカーによって、リモコンをひと押しするだけの簡単便利なものから、設定画面を開いて切り換える面倒なものまであります。プレーヤーを購入する際、注意したい点ですね。
弊社では、ドリルステージ(マーチングショー)のDVDにこの機能を付加して、ご好評を頂いています。全体の動きをキープしたトラックと、いろんなカメラを切り換えて編集したトラックを自由に切り換えながら楽しめます。もちろん、それぞれのトラックが独立して編集・エンコードされていなければなりませんから、もともと、計画して撮影する必要があります。弊社の場合は、映像編集システム自体がマルチトラック機能を持っていますので、あらかじめマルチアングルを前提とした映像編集が驚くほどカンタンです。トラックの数は、もっと増やすこともできます。演奏のレッスンDVDやスポーツのハウトゥーものなどでも、この機能は有効に活用できそうです。

複数の原語でメニューが進行し自動的に字幕と音声を選択
ープログラミングの感覚ー
最初のメニューで原語選択をすると、メニュー自体がその原語で進行し、本編にはその原語の字幕や音声が流れ、メニューに戻っても必ずその原語のメニューである。でも、本編はひとつしかない....違う原語にしても同じようにその原語で進行していく....。こんなディスクを不思議に感じられたことはありませんか?
これはDVDのブログラミング上の機能の一つで、一度そのボタン(この場合は、原語選択ボタン)を押すと、またそれを解除するボタン(この場合は、他の原語選択ボタン)を押すまで、その値(この場合は、その原語選択ボタンを押したという記憶)を保持し続けて、本編に入るときもメニューに戻るときも、どの値か(この場合は、どの原語選択ボタンを押したのか)を判定し、正確に行くべき所へ進み指定されたサブトラック(字幕や音声)を再生します。(この場合は、同じ原語のメニューに戻ったり、同じ原語の字幕や音声が流れる。)
例えば、英語と日本語とスペイン語の3カ国語の選択ができるディスクを作る場合を考えてみましょう。
そして、あるメニューから本編に進み、終了したとき、または、再生中にメニューボタンを押してメニューに戻ろうとしたときには、必ず、その始まったメニューに戻るようにすることにします。
メニューがそれぞれ10枚ずつ計30枚あるとすると、その30種類を識別するためにそれぞれ違う値が割り付けられます。本編が一つならば、メニューボタンを押した場合と終わった場合の2箇所に、その30種類の値を判定してそれぞれの指定場所に進むようにプログラムします。さらに特典映像などが複数あれば、同様にプログラムしていきます。本編1、特典3、なら240個のプログラムを書きます。
このように、ユーザーが便利に使えるようにするためには、累乗的に増えるプログラミングが必要であり、作品によって個別に計画していく事が大事になります。

複雑なプログラム再生もメニューボタンに集約
ーカンタン操作がDVDの特長ー
DVDの作り方によっては、前項のように実際は複雑なプログラムをしているのに、ディスク操作上では、たったひとつのボタンを押してカンタンに思った通り進行していくような、とても便利な事ができます。あるボタンを押しただけで、幾つかの特典映像を連続再生したり、一つ再生したらそのメニューに戻ったり、字幕を出したり消したりと、いろんな機能をまとめてそのボタンに持たせることもできるのです。こういうことを応用して、ゲームのようなDVDを作ることすら可能です。私たちは、皆さんが使いやすいと思う操作方法を次々と実現します。

パソコンでDVDが再生しにくいとき
DVDが再生できる筈のパソコンでも、画像が途切れてしまったり、ブロックノイズがでたり、メニューから先に進めなかったりと....いろんな不具合が起きることがあります。他のディスクは再生できるのに、このディスクだけが再生できないから、このディスクが悪い...と考えるのは早計かも知れません。他の機器では再生できるのに、そのパソコンだけ再生できない...という場合もありますし、同じパソコンでも再生できる時とできない時がある場合もあります。原因を特定していく前に、幾つかの事をトライしてみましょう。

・他のアプリケーションを終了して、ディスクを入れ直してみましょう。
・パソコンをリスタートしてみましょう。
・ウインドウズの場合、異なる再生ソフトウェアをインストールして再生して
 みましょう。
・マッキントッシュの場合、OS.Xで再生してみましょう。
・そのディスクが他のパソコンで再生できるかどうか、テストしてみましょう。


ディスク自体に原因があるときには、こんなことが起きます。
ディスクに記録されたデータにエラーが多い時は、下記のように、最初はいいけれど途中から悪い...といった感じになります。この場合は、そのディスク固有の問題なので、ディスクを新しいものと交換すれば解決する可能性が高いです。ただし、これは出荷前の検品で見つかりやすい症状ですから、現実に出荷される可能性は低いです。

・映像と音声にノイズが連続して発生し先に進みにくくなる。
・ずっと良好に再生していくものの、長い本編の終わり近くになるほどノイズが
 多くなる。

ディスクの記録の仕方や、ディスクそのものに問題がある時は、下記のような現象が起こります。この場合は、単純にディスクを交換しても直りにくいので、DVD自体をオーサリングし直したり、メディアメーカーを変更したり、書き込み方式をバージョンアップしたりする必要がある場合が多いです。DVD-Rメディアが日進月歩で新しくなり、書き込みソフトウエアも変更を余儀なくされたり、ドライブメーカーとメディアの相性(メディアの光反射率がメーカーによって異なるために組み合わせの不具合も存在する。)が悪かったりするので、予期せずこういう事があり得ます。これを直すには、少し時間がかかります。

・メニューボタンが黒くなったり、本編に進むことができなかったりする。
・何度やっても、最初から何も再生しない。

パソコンに限らず、再生側のソフトウエアやその機種そのものに問題がある時にも、こんな事が起こったりします。
実例としては、ハードウエアメーカーと相談しプレーヤーを回収してもらった事もあります。

・再生専用プレーヤーで、動画は再生するが、静止画集になるとフリーズする。
 (結果:再生ソフトの改良で解決)
・パソコンで、うまく再生しないプレーヤーソフトがある。
 (結果:再生できるソフトウエアを使用する)
・DVD-Rが再生できないプレステ2がある。
 (結果:もともと、ごく初期型のPS2のみ再生不可能という事が判明)
・自動的にワイドテレビの画面比が切り替わらない。
 (結果:再生機メーカー自体がその機能を組み込んでいない)

弊社の製品に限らず上記のようなことはあり得るのですが、DVDを再生できる機種は、再生専用機、録画機、パソコン、ゲーム機と様々であり、製造された年度も異なるわけで、ディスク製造時に完全にその互換性をテストするのは不可能です。そのため以前は、パソコンでの再生を保証しません...と明記されたディスクも多かったのです。
しかし、弊社では現実的にパソコンで再生されるお客様が多いことを考慮し、多くのパソコンで再生できることを前提にDVDを製造しています。不具合が起きたとき、製品交換で解決しそうなケースでは、すぐに新しい製品を発送できる準備をしています。また、そうでなさそうな場合は、お時間を頂いて原因をつきとめ解決しています。

弊社の現在の状況では、上記のような問題が全くといって良いほど発生しておりません。それは、弊社そのものの努力に加えて、メディアや再生機、ソフトウェアがそれぞれ改良され安定期に入ったからだと思われます。そうはいうものの、パソコンメーカーは多種多様で、ある部分が古いままの機種も存在し、バグのあるまま新しい機種を市場に出す場合もあり得ますから、問題が起こらないわけではありません。
弊社製品に関して何か不具合がありましたら、上記のような事をご参考の上、メール等でご相談いただけると幸いです。
CDの基礎知識

CDのマスタリングとは?
今ではパソコンでCDがカンタンに作れるので、我々が行っているマスタリングという作業がなぜ必要か、判らなくなっている方もいらっしやると思います。我々の行うマスタリングもパソコンを使っていますから、似たような事でもあるのですが、その差をご説明すると、

・聴きやすい音にするため、ダイナミックレンジやリヴアーブ感の調整をします。
・ダイナミックレンジを狭めても、音の力強さがなくならない工夫をします。
・小さな弱い音でもしっかり聴き取れ、さらに、音楽全体のバランスを崩さない
 調整を行います。
・音の時間軸を無限大に拡大し、細かい音の編集を行います。
・不要な部分、ノイズ、ミスの差し替えをすばやく作業します。
・音質が劣化しないようにAES/EBUというデジタルの規格で各機器を接続しています。
・専用のライターで、正しいプリマスターCDを作ります。マスタークォリティーと
 いえる音質です。

といった事になります。ご家庭用のパソコンでの作業との差は、もともとの音源をより良くしていくことができる、ということになるでしょう。また、プロ用の機器でやってるから細かいことができたり音質が良くなっていく訳ですが、その作業をするのは人間です。弊社の作業のスピード、できあがったものの質の良さをぜひ、他社と比べて頂きたいと思います。

プリマスターCD(PMCD)って何?
プレスCDのマスターのさらにマスターになるCDのことです。これを元に、プレスマスターをカッティングしてCDの原盤を作ります。家庭用のパソコンで作ったCDは、PMCDとは呼ばず区別しています。PMCDには、CDのトラック情報(PQという)が書き込まれていて、以前は、PMCDからでないと、プレスマスターは作れませんでした。
現在は、家庭用のパソコンで書いたCDからでもカッティングできるようになったので、マスターがPMCDでなくても良くなりました。ですから、現在のPMCDの価値は、プレスマスターが作れる事自体ではなく、前項の理由によりマスタークオリティーを持ってる事にあると言えます。

演奏ミスの差し替え方
リハーサルで録音した正しい演奏、または、繰り返しで演奏された同じ部分などを、正確に間違った部分にインサートして、ミスを差し替える方法が多く使われます。ジャズなどでは、まるまる1コーラス分カットしてしまう場合もあります。自由な時間軸の拡大表示とクロスフェード時間の可変で、なんの違和感もなく、演奏ミスがなくなります。CD制作のために録音する時は、ライブの長い曲でも、リハ時間に予備のテイクを取っておきたいものです。

ノイズ取りの原理
今できるノイズ取りとは...
以前弊社で使用していたノーノイズシステムは、主にアナログレコードをCD化するために開発されたプログラムだったので、現在では、もう需要がなくなってしまいました。弊社のグレードアップされたマスタリングシステムには以前のノーノイズシステムが存在しないので、レコードとピックアップが発生するノイズを除去することができません。また、アナログテープの広帯域なヒスのイズを除去することができません。また、録音時に歪んでしまった音を復元させることもできません。現在できるノイズ取りは、下記のような種類です。これらは、かなりの確率で好結果を生み出します。

・一瞬の電気的クリックノイズを前後の音から判断して書き換えてしまう。
 (チッ、プツといった短いもの)
・同じ部分の別テイクを前項のように差し替え編集してしまう。
 (ごく短い時間のみを差し替える)
・低い周波数に集中するようなノイズなら、その部分以下のみを弱めて聴感上の
 S/N比を向上させる。

次のような種類のノイズ取りは、弊社ではできません。ここでいう時間の長短は、1秒以上が長く、それ以下が短いと思って下さい。

・必要な音と混じり合った時間の長い嫌な音。倍音を含む電源ノイズや電波の混信、
 過入力歪みなど。
・レコードのトレースノイズ、アナログテープのヒスノイズ、マシンノイズ。
 (スクラッチノイズはOK!)
・しゃべり声や薄く複雑な騒音。(低域騒音は、単純にカットできます)

編集でなんでも修正できるわけではないので、あらかじめキチンと録音する、アクシデントの為に予備テイクを録音しておく事が、やはり大事ですね。